ガチャ 扉を開けると、目の前に広がる青い空。 「綺麗……」 フェンスに越しに景色を眺める。 懐かしい。 "あの頃"が一番楽しくて、キラキラと毎日が輝いていた。 屋上に来ると思い出す。 「洸……」 会いたい。 でも、会えない。 先に離れたのは私だから。 『ずっと一緒に居ような』 約束を破ったのは私だから。 「那月……?」 まさかと思った。 聞こえるはずのない声が。 きっと幻聴だ。 「那月っ……!」 ふわり 背後から抱き締められて、これは現実だと分かる。