月を探す光


「だって家から学校まで道を覚えてないんだもん!」


「お前なぁ……今までどうやって登校してたんだよ」


「同じ制服の人の後ろをついて行ってた」


「んで、今日は寝坊して誰も居なくて道が分からなくなって迷子になった、と。」


「そゆこと」


那月、ドヤ顔する事じゃないから。


「「はぁ…」」



「ここ何処?今まで見た事ない道なんだけど……」


「ここ、F市。」


「え!?隣まで来ちゃったの?」


「あぁ。」



那月の方向音痴を俺たちは舐めていた。


まさかここまでだとは思わなかった……