泣いている那月を抱き締めて、よしよしと背中を一定のリズムで叩いている洸。
「那月、なんでこんな所に居るんだ?」
「………」
どうやら言いたくない事情があるらしい。
「那月、言ってみないと分からないだろ?」
「………ったの」
「え?」
「迷子、になっちゃったの……」
恥ずかしいのか両手で顔を隠す那月。
……可愛いな。
耳まで真っ赤だ。
「「はっ?」」
だけどね?
いや、学校に行こうとしてたんだよね?
「「迷子になる場所なくね?」」
だってそうでしょ。
仮にも半年以上毎日学校に通ってたんだよ!?
迷子になるって可笑しくないか?


