月を探す光


そう言って学校からどんどん離れていく。


5分くらい走っていくと、制服姿の那月がうずくまっていた。


……本当に居た。


学校から全然関係ない所に。


なんでこんな所に居たんだろうか。


「「那月!!」」


「洸……グスッ……慶……」


しかも驚いたのはそれだけじゃない。


洸が那月が泣いてるって言ってたけど、本当に泣いてた。


「洸ぅーーー!」


「ほら泣くな。もう安心しろ、那月。」


洸と幼馴染みで一緒に居るようになって約10年。

今まで聞いた事ない程の優しく、那月を安心させる声を出している洸。



声だけに限らず、表情まで安心しきって優しい。


こんな洸を引き出せるのは、那月だけだ。