月を探す光


また二人の凄い所はご飯の時にもある。


「那月」


「ん。洸」


「ん。」



今、何をしたかって?


洸に那月は醤油を渡して、那月に洸がドレッシングを渡した。


もちろん、「これ取って」なんて言ってない。


お互いの名前を呼んだだけ。


熟年夫婦か!ってツッコミたくなる。



だってそうじゃない?


どんだけお互いの事を理解しているんだろうか。


じゃなきゃ、こわな連携プレー見れないよね。



そんな事を自分の食べたいご飯を取って貰う時にも


「那月」


「はい。あれ」


「あぁ。」



こんな感じでお互いの食べたい物を取っていた。


那月に至っては「あれ」って言ってるけど、欲しい物を指指したわけではない。


もちろん視線の先に食べたい物があったわけでもなかった。


…のに、何故か理解出来ている洸。


ある意味本当に凄い。