雑談していると突然
むく
洸が覚醒した。
「あ、洸起きた?」
「……ん。」
寝起きで頭が回っていないらしく、まだ眠そうだ。
「洸ー、倉庫行く?」
「……ん。」
加奈を私にとられて若干拗ねていた女顏は洸の返事を聞くと慶に電話し始めた。
真面目な慶はたまに授業に出に行っている。
「えー、倉庫行っちゃうの?」
「ごめんね加奈。」
「しょうがないか…」
加奈の話によると、加奈は倉庫に行っちゃいけないらしい。
理由はよく分からないけど。
本人も納得してるから深くは聞かなかった。
眉を下げて申し訳なさそうに謝る女顏。
少しすると慶が来て、入れ違いに加奈は帰っていった。
「ねぇ、そう言えばさー」
ふと、車の中で気になった事がある。
「どうしたの?那月。」
洸はまた寝ているから慶が代わりに返事してくれる。
「鬼ごっこの時放送で言ってた"月光"って何?」
これを言った瞬間、車の空気が固まった気がした。


