月を探す光


まぁ、こんなイケメンの近くに女が居たらそりゃ僻まれるか。


……じゃあ私もそうじゃない?


つっても、鬼ごっこ以来教室には行っていない。


何故って?


この私の膝に頭を乗せて寝ている男が教室に行かせてくれないから。


勉強嫌いだし、面倒くさいから別に気にしてないけどね。



「那月ーーー!」


バンッ


……毎回そんな登場してたら扉がいつか壊れそうだ。


授業の終わりのチャイムから少しすると加奈が帰って来た。


「聞いてよ那月!
授業でバスケやったんだけどさ、皆私にボール回してくれないの。
本当、嫌になっちゃう。」


こういう事をぶっちゃけられる子、好きだわ。


「そっか。どんまい。」


これしか言いようがないよね。


だって私が加奈の立場だったら同情なんてされたくないし。


「うん!やっぱ那月の事好きだわ!」


見た目は小動物なのに、それに似合わず中身はサバサバな加奈。


見た目と中身のギャップが激しい。