「那月」
「ん?」
私の前で跪いた洸。
「那月が卒業するまで待つつもりだ。
だから、俺と結婚を前提に付き合ってくれ。」
洸が私に出したのは、四角いケースに入った指輪だった。
「はいっ!」
もちろんだ。
嬉しすぎて涙が出てきた。
「泣くなって。」
「だってぇ……」
特攻服の裾で涙を拭いてくれる洸。
「俺、すげぇ嬉しい。」
「私も。」
ギュッと痛いくらいに抱きしめてくれる洸。
「幸せ」
「あぁ。」
甘い幸せを噛み締めていると
「おーいお二人さーん。幸せなのはいいけど、俺たちの事忘れないでー。」
「「あっ」」
「はぁ……まぁいいや。
それでこそ二人だよ。」
「んじゃ、今夜は呑むぞーー!」
「「「「おぉぉぉぉぉ!」」」」
こうして幸せな引退式はあっという間に過ぎていった。


