月を探す光


何時間経ったか分からない。


でも、結構な時間待った気がする。


手術室から医者が出てきた。


手術着には大量のお兄ちゃんの血が付いている。


「ご家族の方ですか?」


「はい。」


代表してお父さんが答える。


「今はどうにか安定していますが、油断を許さない状況です。
いつ峠を越えるか分かりません。」


「そんな……」


一礼をしてまた手術室に入って行った医者。


手術が終わって手術室から出てきたお兄ちゃんは、全身包帯だらけで何本もの管に繋がれていた。


「お兄ちゃん!」


「那月、落ち着きなさい。」


お兄ちゃんはICUに入れられた。


「お兄ちゃん……」


洸…どうしよう。


まだ心は洸にあるらしい。


こういう時洸に頼りたくなる。


でも洸から離れたのは私だから、それへ許されない。