俯いていた顔を上げて、先輩の顔を見ると目が合った。
「「っ……」」
お互いに息を呑む音が聞こえた。
「なんで……」
「お前……」
同時に声を発した。
なんでそんな瞳をしているの……
「悲しい人……」
思わず、呟いていた。
「お前も、俺と同じなのか…?」
「同じだよ……」
気付いたら、名前も知らない先輩に手を伸ばしていた。
先輩の頬に手を添えると、不思議と心が落ち着くような気がした。
何も映さず、ただ呼吸をしているだけの毎日を繰り返してきたであろう空っぽな先輩の瞳。
感覚的に、先輩と私は似ていると思った。


