「そういや那月が姫だっていつ言うんだ?」
「あー、いつでも良いんじゃない?」
「テキトーだな。」
翔はそれだけ言ってまたゲームをし始めた。
那月は俺たち月光の姫だ。
姫は誰でもなれるけど、那月は総長の女……つまり寵姫だ。
それを言わぬまま2ヶ月が過ぎようとしている。
だって、那月にそんな事言ったら怒られそうだし……
勝手に巻き込むな、ってね。
だから言えないのもあるけど……洸が言う気ないんだよなぁ。
拉致られたあの日も寵姫って何?って聞かれたけど、どうにか誤魔化しといた。
「はぁ……」
寵姫は色々な族から狙われる。
それはこの前の日のように。
だから出来れば俺たちの誰かと一緒に行動して欲しいけど……
遥人さんも見た目は強そうだけど、実際の所わからないし……


