月を探す光


「慶。」


「了解。」


多分後片付けを慶に頼んだ洸は、私を軽々とお姫様抱っこをして運ぶ。


私の居た所は二階だったらしくて、階段を降りるといつものカラフルヤンキー達が死体……人間か。


人を引きずってなんかしてた。


「「「那月さん!」」」


すぐに私と洸に気づいた皆は、私の姿を見ると悔しそうに唇を噛んだり、申し訳なさそうな顔をしたり様々な反応を見せた。


そんな気にしなくて良いのに……


「気にしなくて良いから」


そう言ったけど


「「「申し訳ありません!」」」


全員が全員して頭を下げて謝る。


本当に気にしなくて良いのに……


律儀って言うか何ていうか。


スタスタと頭を下げるカラフルヤンキーの横を通って外へ出る。


いつもの車が外に止まっていて、扉を開けて乗ると


「那月さん……」


運転手さんまで皆と同じような悔しそうな顔をする。