「ごめん……那月。」
「……何が」
「助けるの…遅くなった。」
「…助けに来てくれたから良いよ。」
いつもいつも。
もうダメだって時にタイミング良く助けに来てくれる洸。
それで何度私が助かった事か。
「ごめん……ごめん那月」
「洸……嫌いになってない?」
さっきまで殴り続けていた手は、今は私をしっかりと抱きしめている。
「なるわけねぇだろ。バカか。」
「む……バカじゃないもん」
「家帰るか。那月。」
「帰る……」
さっきまでの威圧的な声は、とても優しく甘い声に変わっている。
チラリと殴られ続けていた金髪の方を見れば
「…………」
悲惨な事になっていた。
白目を向いて顔は原型を留めておらず、手足は曲がらないはずの方向に曲がり、所々全身から血が流れている。
……とても放送出来るようなものじゃない。


