月を探す光


フィルターが掛かったみたいに視界に色が無くなり、シャットダウンされて何も聞こえなくなる。


「も…ぃぃや」


いつの間にか涙も止まり、思考回路が停止する。


ただただボーッと金髪を殴り続ける洸を見ている。


「ーーー」


「ーーー」


あぁ。誰か何か話してる。


「ーーき」


「ーーき!」


…………。


「那月!」


「那月!那月!」


ゆさゆさと身体が揺れてる。


全てが他人事。


「那月!しっかりして!」


「……け、い?」


「慶だよ。大丈夫?遅くなってごめん……」


「…………」


顔を歪めて謝る慶。