月を探す光


「てっめぇ………」


洸の今まで聞いた事のない位低く威圧的な声と共に、視界から消えた金髪。


バキッ


「ぅがっ……」


「那月……」


クリアになった視界に映ったのは、絶望した表情の洸の顔。


「こ……」


「ざけんなっ!」


「うがっ……っ……」


私の声を遮って金髪を殴り続ける洸。


それは我を無くした龍の如く。


怒りと感情に任せ、ただひたすら殴り続ける洸。


それをボーッと他人事のように見ている私。


なんか、何もかもどうでもよくなった。


洸の絶望した表情が忘れられない。


金髪の言った通り、幻滅されたかも……


洸に幻滅されたら、生きて行けない。


洸が私の全てだから。