月を探す光


倉庫に着いてから、幹部室に入っても誰も喋らなかった。


重い沈黙が流れる幹部室。


洸はどこに行ったのか帰って来ない。


「なぁ慶。教えてくれよ。」


翔から何回も聞いたその言葉。


「洸から聞いて。俺から話す事じゃないから。」


でも、俺の答えは同じだ。


俺から話しても、本人が居ないんじゃ話にならない。




その日、洸は帰って来なかった。


風の噂によると、繁華街で悪さをしている奴らと喧嘩していたらしい。


洸のイライラ解消と治安も守られて、ある意味一石二鳥だ。