「だって寵姫は月光のお姫様でしょ?」


「その寵姫とかお姫様って何?」


「はっ?何ってあんたの事だけど……
それすら知らないの?」


「知らない。なにそれ」


驚いた表情の……名前なんだっけ?

金髪でいっか。


「月光のお姫様でしょ?あんた」


「は?」


「……じゃあ岸野洸の彼女でしょ?」


「そうだけど……」


「どこの暴走族も守られてる女は姫って呼ばれている。」


「ふーん」


「姫は誰でもなれるんだけど、総長が命を懸けて守ると決めた女は寵姫と呼ばれる。
寵姫は滅多に出来るものじゃないけど、あんたは寵姫って呼ばれてる。」


「……ふーん」


いまいち分からないけど良いか。


「つまり、他の暴走族から狙われやすくなるってこと。」


「は?」


狙われる?