月を探す光


洸の家は、とにかくデカイ。豪邸だ。


なんでも洸のお父さんが大企業のお偉いさんらしくて。


でも、あまり本人はこの話が好きじゃないから普段しない。


「私車で待ってるね」


「あぁ。すぐ戻る。」


洸は家の中に消えて行って、私は音楽を聴きながら待ってる。


「悪ぃな。出してくれ。」


「ん。おかえり。」


「ただいま。」


ボストンバッグに服やら何やらを詰めてきたらしい。


……そこまでして私の家に住みたいのかって思ったりするけど。


洸が良いなら私は別に気にしない。



「着きました」


「ありがとうございます」


「あぁ。」


運転手さんに挨拶をして、マンションに入る。