月を探す光


「………」


フラフラとこっちに歩き始めた洸。


洸もまた、那月と同じように俺たちの間をすり抜けて屋上を出て行った。


バタン


残された俺たちの間に、また沈黙が走る。


「倉庫帰るか。」


「あ、うん。」


「着いたら説明しろよ!」


沈黙を破ったのは俺で。


翔の言った事には応えられない。


バイクに乗って倉庫に行く。

その間もずっと那月の事を考えていた。


洸は今でも那月が好きだ。


確かに3年も離れていたら自然消滅になるかもしれないが。


那月も多分……洸の事はまだ好きだ。

直感でそう思った。


"あの頃"の2人を知っている俺からすると、あの2人が離れるなんて事はまず想像つかなかった。


未来なんて、誰にも分からない。