ささっと風呂に入って洸の居るリビングに行く。
「あれ?」
洸が居ないと思ったら、ベランダでタバコを吸っていた。
「洸」
「ん?」
「綺麗だね、月。」
「あぁ。」
今日は満月だ。
丸い月が私たちを照らしてる。
「なぁ那月。」
「ん?」
「もう、居なくならないよな?」
「居なくならないよ」
不安気な洸。
洸が "同じ事" を繰り返さない限り、私は洸の前から居なくはならない。
「頼むから、もうやめろよ……」
「うん」
「居なくなった理由は、那月が話したい時に話せば良い。
それまで待ってる。」
「うん……」
どこまでも私に甘く、優しい洸。


