那月side


洸が私の家に泊まる事になった。


「……ねぇ洸」


「ん?」


「本当に泊まるの?」


「あぁ。」


車で送ってもらってマンションの前で洸と降りる。


5階の私の部屋の前で、洸に最終確認する。


迷わず即答された。


ガチャ


「邪魔します」


「どーぞ。」


律儀に靴を揃えて丁寧に家に上がってくれた洸。


この家に引っ越してきて、誰かを上がらせたのは洸が初めてだ。


ーー私の初めては、いつも洸が攫ってく。