月を探す光


慶side


「ねぇ、可笑しくない?」


可笑しい。可笑しいんだ。


「……あぁ。」


それが伝わったのは洸だけで。


「何がだ?」


「あ?」


理人と翔には分からないらしい。


まぁ、2人が那月に出会ってまだ2ヶ月そこそこしか経ってないから、分からないのも無理ない。


那月は感情を表に出さないから。


普段は表情で、あまり変わらないから。


よく観察してないと分からない微々たる変化しかないから。


付き合いの長い俺と洸にしか分からないと思う。


「ここ1週間、毎日同じ時間に屋上を出て行って同じ時間に帰ってくる那月の事。」


「宮崎に裏取ったら、あいつ嘘吐いてるし。」


「え?宮先のとこに居るんじゃないの!?」


「なんでそんな嘘吐いてんだよ」