月を探す光


「ん…」


「で、那月。いったい何をしたらこんな遅くなるんだ?」


どうやらこれだけでは終わらせてくれないらしい。


「……遥人と話してた。」


勝手に名前借りようっと。


遥人の名前を出した途端、屋上の空気がピキッと固まった気がした。


なんかみんなの顔が引きつってる。


「那月。」


「ん?」


洸の顔が般若になってる。


どうしたんだろ?


地味に肩を掴んでる手に力が入ってる。


「遥人って誰だ。」


「遥人は遥人。」


「それは答えじゃねぇ。」


「あっ、そっか。」


「誰だそいつ」