月を探す光


「那月!」


「どうしたの?洸」


痛い身体に鞭打ってなんとか屋上まで辿り着いた。


屋上に入ると洸が焦った様子で私の肩を掴んできた。


……少し痛い。


「遅かったから心配した。電話しても出ねぇし。」


「え?電話?」


あっ……電源切れてた。


充電するの忘れたんだっけな。


「……お前と居ると心臓が持たねえよ。」


苦笑しながら私の頭をポンポン撫でる洸。


それが気持ちよくて目を細める。