月を探す光


迷惑極まりない。


でも、この事を洸達に言うつもりは一切ない。


心配を掛けたくないから。


きっと、そんな事言ったら洸が手を付けられなくなる位暴れるから。


ギャルABを心配する訳じゃないけど、洸を止めんの面倒臭いから言わない。


「はぁ……」


洸が前に言ってた、階段落とされるだけじゃ済まなくなる事があるかもしれない
ってこの事か。


確かに辛いけど、洸とまた離れる事と比べたら痛くも痒くもない。


大丈夫。


悪者なんて、粋がっててもいつかは悪事がバレて倒されるんだから。


"その時"が来るまで待っていればいいだけ。


大丈夫。


そう自分に言い聞かせて私は立ち上がった。