月を探す光


「那月、誰と居た」


屋上に帰ってくるや否や、そんな事を言い出した洸。


……勘が鋭いことで。


「別に……トイレ行ってただけだけど?」


「……嘘吐け。知らない香水の匂いがする。」


……あのギャルBめ。


恨んでやる。


胸ぐらなんて掴んで引き寄せるからあの臭い香水が移ったのか。


自分じゃ気づかなかった。


「あぁ。トイレ行ったらちょうどギャルが香水付けてて、それが移ったのかも。」


我ながら良い嘘だと思う。


「そうか。なんかされたらすぐ言えよ?」


「うん。」


洸もそれ以上の事は詮索して来なかった。