月を探す光


てか、屋上から体育館裏って遠いんだけど…


どうしよ。行くの面倒くさくなって来た。


バックれようかな?


…いや、後々面倒くさそうだから行かなくちゃダメか。


どうせ洸達と離れろ、とか言われるんでしょ?


小説あるあるだと。


「おせぇよ。」


「待たせてるんじゃねぇよ。」


「………」


うわぉ。

なんか王道の香りがプンプンするよ。


だってリンチの定番って、場所は体育館裏でやる奴だいたいギャルでしょ?


ここ、体育館裏で私の目の前に居るの化粧濃い金髪ギャル二人だよ?



「誰にも言わないで来ただろうな」


ギャルAが私を睨みながら聞く。


……目元がアイラインで黒過ぎから眼力ヤバイよ。


「洸達に言ってきたけど?」


「あぁ?誰にも言うなって紙に書いただろ!」


ギャルB、うるさい。


「だって黙って抜け出せるわけないじゃん。」


「もしかして呼び出されたって言ってきたのか?あぁ?」


「お腹痛いからトイレ行って来るって言った。」


「「……………」」


正直に答えると口をポカンと開けて放心してしまったギャルAB。