チャイが私の足に絡みついてきた。


「義務って…?」

「茶道部はお母さん分かるの。日本の文化を学ぶっていうのは、先々ためになることだから。でも演劇なんて虚栄心を育てるだけだと思うわ。少なくとも学生のうちにやることではないわよ」

流れる水のように、聞きなれた持論が展開した。


「衣装を縫ってるだけなんだけど…」

「自分が着るわけでもない衣装を縫ってどうするの。あなた、自分で断れるようにならなきゃダメよ?」