Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

お母さんは顔を上げた。

「ごめんなさい…ありがとうね」

「いいのよ」

「タケルくんにもお礼を言っておいて。ずっと清子のために、ありがとうって」


タケルくんのお母さんが言った。

「昔、人から聞いたんだけど『子供は一番親に助けて欲しい』んだって。どんなに頼れる人がいたとしても、本当は親に助けて欲しいんだって」

「親って言ったって…私じゃ…」


夕闇が迫った。

近くの鉄塔にカラスが集まって、うるさいくらい。


「清子ちゃんも誰が一番自分を助けようとしてくれてたか、よく分かってると思うよ」