Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

決まった時間に起こされて、普通の薬や缶ジュースに似た薬を飲むように言われた。

でも飲めない。


鼻にチューブを入れられる。


「ごめんねぇ」

って、朗らかに言われながら。



そしてまた眠る。

その繰り返し。


波打ち際に私が転がっている。

波にさらわれて、水が鼻に入って、砂だらけで、全身が冷えて、

気が付くと自分の体から離れてる。


「飲めないか。飲めないよね」

「缶の中身が気になったみたいで、何度も聞いてきましたよ」

「なんて?」

「これ手作りですか?って」


お医者さんが私に近づいてきた。

「おはよう」

返事の代わりに、目をシバシバさせた。

「今日からカウンセラーの先生が来るんだけど、この先生にはね、何でも話していいからね。僕みたいなジイサマじゃないから」


また目を閉じた。

すぐに体が揺さぶられた。


「眠いだろうけど、なるべく昼間は起きててよー」


お医者さんが、私の首に手をやった。

低いうなり声が聞こえた。