Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

色々な約束事が書かれた紙にサインをして、私は個室に入った。

ベッドに腕と足が、ベルトで繋がれた。



これで終わりだなぁ。

もう、これでいいんだ。



お母さんが顔を覆って、お医者さんの話を聞いている。



「怖くないの?」

急にお医者さんが私に話しかけた。


私はうなずいた。



「ちょっとチクっとするよ~」

看護士さんの声がして、腕に点滴が刺された。



急に眠気が襲ってきた。



「こんな静かな子、初めてだ」

と誰かが言っている。



眠いんです。


眠いだけ…。





ふと目を開けたら、自分で自分の姿を見下ろしていた。



「普通は、拘束されると嫌がって大騒ぎするもんでね」

「大人しい子なので」

「お母さんね、そういう問題じゃないよ。恐怖に性格なんか関係ない」


お医者さんなのかな?

お母さんが、お祖母ちゃんと同じくらいの歳の男の人と話している。


「長期化するかもしれないな」