Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

正門の前には、お母さんとタクシーが待っていた。


小笹先生が、背中を叩いた。

「待ってるぞ」

「ありがとうございました」


タクシーに乗り込み、少しだけ振り返った。


小島ちゃんが大きく手を降る。

聖愛ちゃんは立ち尽くしたまま。




あ…

矢倉くん?


見覚えのあるシルエットが、ミラーに映った。



不器用…

私たちは、不器用びんぼう。




学校が遠ざかってゆく。