Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

最後のお茶会にやっとの思いで出席した。


小島ちゃんと後輩がサポートしてくれたけど、お道具が重く感じる。


お手前が終わった。


高良先生にご挨拶しなきゃ。

駄目な弟子だったな…



「お世話になりました」



高良先生が表情を曇らせた。

「…取り残されるのは、いつだって辛いわ」



先生はハンカチで目元を押さえた。

「ごめんなさいね。泣いていちゃ駄目ね。またお会いできるわね?」


後輩のすすり泣きが聞こえた。



小島ちゃんの介助で表へ出ると、聖愛ちゃんが待っていた。



「正しくあれ!」

と聖愛ちゃんが言った。


「ナニ、突然」

小島ちゃんが言った。


「賢くあれ」

私は答えた。


「優しくあれ…なぜ、学園訓?」

小島ちゃんが続けた。



聖愛ちゃんが言った。

「キヨコは、これを全部持ってる」

「だね」

小島ちゃんが頷いた。


「だけど、」

あの聖愛ちゃんが…泣いてる。

「それがなくなっても帰ってきて」