Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

インターフォンが鳴った。

お父さんが玄関に出ていく。



お母さんが難しい顔をして、私を見ている。



逃げ出したい。


「泣いてるだけじゃ分からない」




ふっとお母さんの注意が玄関に移った。

「あの人っ!」


立ち上がってリビングを出てゆく。



「受け取り拒否してって言ったじゃないの!清子!ここに来なさい!」

「だけど受け取って中身を見ないと、分からないじゃないか」

「何度も同じこと言わせないでちょうだいよ!一体、いくら…」



私が玄関に出ると、大きなダンボール箱からビニールに包まれた洋服が雪崩れを起こしていた。



「全部、同じような感じだね」

お父さんが呆気に取られた顔で言った。


沙奈が洋服を手に取った。

「ようなじゃなくて同じじゃん!全部ブラック?っていうか…XXLって…え?え?…こっちは全部XSだ…」


みんな黙り込んだ。

「お姉ちゃん、ダイジョウブ?」