Bu-KIYOびんぼう ~幼なじみと不器用な約束~

抱え上げらえて、どこかへ運ばれた。


額にヒヤッとしたものが当てられた。


「寝かせたほうがいいんじゃない?」

「横にすると、吐いたものが気道に詰まる」



タっくんの声だ…



「ごめんね。ごめんね…」


小島ちゃんが泣いている。


耳がふさがれてるみたいに聴こえる。




タっくんの声は聞こえない。



ぼんやりと昨日の晩のことを思い出した。



そっか…

きっと、タっくんは知ってたんだ。



「重かったよね」

「どこが?」




たくさんの足音が聞こえてきた。