幸せの定義──君と僕の宝物──

翌日。

事務所のスタジオで練習を終えた後、タクミがトモに声を掛けた。

「そう言えばトモ、昨日はあの後、マサキを家まで送ってったの?」

「ああ。キッチリ送り届けた。」

二人の会話を聞いて、なんの事かとハヤテが会話に加わった。

「昨日なんかあったの?」

「トモ、イベントに来てたファンの男の子にぶつかってさ、その子、足を挫いちゃったんだ。そんで、トモが手当てして送ってったの。 」

「へぇ…。大変だったんだな。」

「でもかわいかったよ。まだ6年生なのに、トモに会いたくて母親に内緒で2時間半も掛けて電車で来たんだって。」

「2時間半も!6年生でそれはすごいな。」

「偶然、トモの地元の子だったんだ。その子、マサキって言うんだけどさぁ、名前の漢字が一緒だったり、おまけに若い頃のトモにめっちゃ似てんの。」

「へぇ!!オレも会ってみたかったなぁ。」

タクミとハヤテの会話を聞いていたユウとリュウが、思わず顔を見合わせた。

「リュウ…。」

「……かもな。」

リュウがチラリとトモの方を見ると、トモもリュウの方を見ていた。

明らかにいつもとは違うトモの表情を見て、リュウは急に、逃げ出したい衝動に駆られた。

リュウは慌ててトモから目をそらす。

(トモ…もしかして…アユミと…。)