幸せの定義──君と僕の宝物──

「もう会えないんだってわかってたのに…好きで好きで、どうしようもなかった…。」

トモの、ずっと胸にしまい込んでいたアユミへの想いが一気に溢れ出した。

アユミは潤んだ瞳でトモの顔を見て、笑みを浮かべた。

「ありがとう。もう会えないと思ってたから…会えて嬉しかった。でも…もう会わない方がいい…。」

「なんで?オレは会いたい。昔みたいに…。」

アユミが首を横に振ってトモの言葉を遮った。

「お互いにただの大学生だったあの頃とは、何もかもが違うんだよ。私にはマサキがいて、教師って言う仕事があって…トモくんはたくさんのファンがいる芸能人で…。」

「なんでそれがダメなの?オレは今でも…。」

アユミはトモの言葉を聞きながら、こぼれ落ちて頬を伝う涙を手の甲で拭い、静かに首を横に振った。

「トモくん…その先は、言わないで…。」

「え…?」

「ありがとう、トモくん。さよなら…。」

アユミはトモの顔を見ないようにして、助手席のドアに手を掛けた。

「待って!!行かないで!!」

トモは慌ててアユミの腕を掴み、引き留めた。

「離して…。」

「イヤだ!!あの時カッコつけて手を離すんじゃなかったなんて、あんな思いもうしたくない!!2度と後悔なんかしたくないんだ!!」