幸せの定義──君と僕の宝物──

ユウは昼過ぎにトモと一緒に昼食を取った後、レナの病院に行くついでにトモを送り、仕事に向かうまでの時間をレナの病室で過ごした。

「昨日、トモさんと楽しかった?」

「あぁ…。トモ、普段まともな食生活送ってないみたいだから、いろいろ作って一緒に食ったよ。それから酒飲んで話した。」

「そうなんだ。私もユウの手料理食べたい。」

「退院したらいくらでも。」

ユウはいつものように、ストローを挿して野菜と果物のジュースをレナに差し出した。

「ほい。」

「ありがと。」

ユウが缶コーヒーを一口飲んでポツリと呟く。

「みんな…いろいろあるんだな。」

「ん?トモさんの事?」

「うん。どんなに頑張っても、過去だけは変えられないもんな。それを想い出として受け止められるならいいけど…トモは、ロンドンに行く前に好きだった彼女の事が、まだ忘れられないみたいだった。」

「そうなの?」

「オレとハヤテがロンドンに行く前に好きだった相手と結婚したから、トモも時間かけて忘れようとしてた彼女への気持ちを思い出したんだろうな。でも、会うのが怖いって。」

「そうなんだ…。」

「どうなるのかはわからないけど…オレは、今のトモが前に進むためには、彼女と会うか、今どうしてるのかを知って、自分の気持ちを確かめた方がいいと思うんだ。」

「どうだろうね…。もし会って今でも好きだって思っても…彼女が他の人と結婚してたりとか…トモさんの事、もう過去の人って思ってたら…トモさんにとってはつらいよね。」