幸せの定義──君と僕の宝物──

「バーカ。そんなに寂しけりゃ、早く彼氏でも作ればいいだろ。」

そう言ってリュウが立ち上がり振り返ると、ハルはうつむいて目に涙を浮かべ、唇をかみしめていた。

「…ハル?」

(あれ…?なんだハルのやつ?)

いつもと様子の違うハルの事が気になって、リュウが少し身を屈めてハルの顔を覗き込んだ時。

ハルが顔を上げて、ポロポロと涙をこぼしながら、リュウの唇に自分の唇を押し当てた。

リュウは突然の事に驚き、慌ててハルを押し退けた。

「な…何すんだよ?!」

「リュウトのバカ!!」

ハルは涙を拭いながら階段を駆け上がり、自分の部屋に飛び込んだ。

ハルの部屋のドアがバタンと閉まる音が、リュウの耳にやけに大きく響いた。

(いきなりなんだ…?ハルのやつ…。)

ハルの事が気掛かりではあったが、今のハルの気持ちに応えられない自分にはどうする事もできず、リュウは荷物を手に玄関を出た。