幸せの定義──君と僕の宝物──

しばらく水割りを飲みながら仕事の話をして、会話が途切れた時、トモがためらいがちに口を開いた。

「なぁ、ユウ…。」

「ん?」

「変な事聞いてもいいか?」

「なんだよ、変な事って…。」

トモはタバコに口をつけ、ため息混じりに煙を吐き出した。

「ユウと片桐さんってさ…音信不通のまま10年も会ってなかったんだろ?」

「あぁ…10年半くらいかな。」

突然なんの話だろうとユウは不思議に思いながらグラスを傾けた。

「子供の頃から、ずっと好きだったって言ってたよな?」

「まぁ…そうだな。」

「ハヤテにしてもそうなんだけどさ…そんなに長い間会ってなかったのにさ…ずっと好きでいられたのか?」

「えっ?!」

思いもよらぬトモの言葉に、ユウはむせそうになりながらトモの顔を見た。

「久し振りに会って、昔と違っててお互いにガッカリしたとか…なかったのか?」

ユウはレナとの最悪の再会のシーンを思い出して、眉を寄せた。

「オレはしなかったよ。レナはそのまんま大人になったって感じだったし…。でもレナは…ガッカリしたと思う。レナと10年ぶりに会った時さ…オレ、最低なところ見られたから。」

「最低なところ?」

「好きでもない他の女の子とキスしてるとこ、見られたから。」

今度は思いがけないユウの言葉に、トモがむせそうになった。

「えぇっ…。そりゃ最低だ。」

「オレ、めちゃくちゃだったからな…。レナの事は…ずっと忘れた事なんてなかったけど…。オレはさ…レナを忘れるために…2度と会わないつもりで、何もかも全部捨ててロンドンに行ったから。」

「…そうなのか?」

「トモには話した事なかったな…。」