レナが夕食を終えると、ユウは食器をコンテナに返却して、病室内のシンクで箸とコップを洗い、わずかな洗濯物を持って、レナの唇におやすみのキスをして病室を出た。

ユウは自宅に向かって車を走らせながら、穏やかに優しく微笑むレナを思い出していた。

レナがじっとしていないといけない分、普段家にいる時よりたくさん話した気がする。

これから生まれてくる子供の事はもちろん、幼なじみだった頃の遠い昔の事や、恋人同士になり一緒に暮らし始めてからの事。

結婚前のつらかった出来事も、結婚してからの苦しかった経験も、二人で一緒に乗り越えたからこそ、今は穏やかに話す事ができるのだとユウは思った。

(レナには随分つらい思いさせちゃったからな…。これからはレナの事も、子供の事も、ちゃんとオレが守るからな…。)