幸せの定義──君と僕の宝物──

マサキが着替えとゲーム機などの入ったバッグを手に玄関を出ようとすると、アユミは財布を持ち、手土産を買って持たせるために近所のスーパーまで一緒に行くと言って、マサキと一緒に出掛けた。

(マサキ、今日は帰って来ないのか…。)

トモはゴロリと横になって天井を見上げた。

(ん…?マサキ帰って来ない…?お義母さんは旅行中…って事は…。)

トモはガバッと勢いよく起き上がった。

(今夜はオレとアユちゃん、二人きりって事かーっ!!)

トモは急にドキドキして、テーブルの上のお茶を一気に飲み干した。

(えっ?えっ?!二人っきりで過ごす夜なんて何年ぶり…?13年ぶり…?)

再会してからは、アユミが母親と同居しているので夜は実家に帰っていたし、昼間はアユミが仕事でいなかったり、いてもマサキとアユミの母親が一緒の事が多かった。

マサキの事はかわいいし、一緒に過ごす事はとても楽しい。

アユミの母親も、再会してすぐに挨拶してからとても良くしてくれて、一緒にいても全然違和感がない。

昔とは違うとアユミが言った通り、二人きりで過ごすチャンスはまったくなかった。

だけどトモは、正直に言うとやっぱりアユミと二人きりでゆっくり過ごす時間も欲しいと思っていた。

(マジか…!!やっと二人っきりになれる…!!)

トモは喜びのあまり小躍りしそうになるのを堪えて、両手の拳をギュッと握りしめた。

(二人っきりで過ごしたいと思ってはいたけど…いざとなると久しぶり過ぎて緊張する…。)

握りしめた拳でうるさく高鳴る胸をドンドン叩いて、なんとか落ち着こうと深呼吸した。