幸せの定義──君と僕の宝物──

「あ…ごめんなさい…寝ちゃってた…。」

「大丈夫だよ。さっき戻って来たとこだから。それよりハルちゃん、レナの事、支えてくれてありがとう。おかげで無事に生まれたよ。」

ユウが頭を下げるとハルは嬉しそうに笑った。

「そんなたいしたことは…。でも無事に生まれてくれて良かった!!赤ちゃん、見てもいい?」

「今、新生児室にいるよ。見に行く?」

「行く!!」


病室の目の前のナースステーションに併設された新生児室を窓ガラス越しに覗くと、さっき生まれたばかりのユウとレナの赤ちゃんが、ベビーベッドに寝かされて小さな手足をモソモソと動かしていた。

「かわいい…。」

「目元はユウに似てるか?鼻の辺りは片桐さんかな…。名前、決まってんのか?」

「結ぶに弦で、結弦(ユヅル)。」

「結弦くんか…。ハル、ユヅルくんが大きくなったら、今日の事話すんだ。」

「何年後だろうな…。10年後くらい?」

ユウが尋ねると、ハルは少し宙を見上げた。

「その頃ハルは25歳。とーちゃんは…。」

「歳の事は言うな…。」

リュウの反応に、ユウはおかしそうに笑う。

「その頃には、ハルちゃんもママになってるかもね。」

ハルは嬉しそうにリュウの顔を見上げた。

「ハル、とーちゃんの事、子供にもとーちゃんって呼ばせる。」

「気が早ぇーよ…。」