幸せの定義──君と僕の宝物──

産後しばらくは安静にしていないといけないので、胸に抱いた体勢で赤ちゃんに初乳を飲ませた。

母親になって初めての授乳。

出産して間もないので、出ると言うほど母乳は出ないが、赤ちゃんは小さな口で一生懸命吸っている。

生まれたばかりなのに、誰に教わるでもなく生きる術を知っている我が子の生命力に、レナはとてつもなく感動していた。

その後、スタッフに呼ばれたユウが再び分娩室に戻って来て、レナのそばに立った。

「レナ。お疲れ様。」

「うん…。無事に生まれてくれて良かった。」

ユウは優しくレナの頭を撫でた。

「レナ、頑張ったもんな。ありがとう。」

「ユウが来るまでずっと、ハルちゃんが腰さすりながら励ましてくれたからね。」

二人が目を細めて赤ちゃんを見ていると、助産師がそばにやって来た。

「お父さん、赤ちゃん抱いてみます?」

「おっ…お父さんって…そうか、オレか。」

助産師は微笑みながら、慣れない呼ばれ方に動揺して照れ臭そうにしているユウの手にそっと赤ちゃんを抱かせた。

「体重2980g、身長は50cmです。」

「うわ…ちっさ…かわいい…。」

初めて我が子を抱いて幸せそうに笑っているユウを見て、レナも嬉しそうに微笑んだ。

「この子も大きくなるのかな?」

「ユウも私も背が高いから、この子も大きくなるかもね。」

スタッフが新生児用のベビーベッドに入れるネームプレートに、赤ちゃんの出生日時や身長と体重を記入した。

「赤ちゃんのお名前、もうお決まりですか?お決まりでしたら、ここに書きますよ。」

「ハイ。お願いします。」