幸せの定義──君と僕の宝物──

ユウが急いで電話をすると、スタッフがレナの病室に電話を取り次いでくれた。

「レナ、大丈夫か?!」

慌てて大声をあげるユウに、レナが笑う。

「ユウ…お疲れ様。まだそんなに陣痛強くないから、もう少し時間が掛かると思う。ユウが間に合えばいいんだけど…。」

「今そばにいるのは、ハルちゃんだけ?」

「うん。あ、直子さんに連絡まだしてない。」

「オレから連絡しとく。とにかく急いで戻るから!!それまでなんとか頑張れ!」

「うん、わかった。」

ユウがレナと話していると、リュウがユウの肩を叩いた。

「ユウ、そこにハルいるだろ?代わってくれるか。」

「わかった。レナ、リュウがハルちゃんに代わってくれって。」

ユウはリュウに、レナはハルに電話を代わる。

「とーちゃん!!どうしよう!!」

不安そうなハルに、リュウは話し掛ける。

「ハル、落ち着いてよく聞け。片桐さん、まだ普通に話せてるんだな?」

「うん…。」

「それならもうしばらく時間掛かるはずだ。もし片桐さんが陣痛の痛みでつらそうになってきたら腰さすってやれ。もっと陣痛が強くなったら、腰の下の辺りを強めに押してやるんだ。そうすると少しはラクになる。」

「うん、わかった。」

「あとな、ハルが慌てても仕方ねぇから。落ち着いて声掛けてやれ。陣痛ってな、波があるんだよ。痛みが来てつらそうな時は、鼻から大きく息を吸って口から長く吐くように言え。」

「うん。」