リュウは、ユウから送ってもらったハルの写真を見ながら、どうしてこうも思った事を素直に言葉にできないのだろうとうなだれた。

(しかし…かわいいな、オイ…。“かわいい嫁はいくら見てても飽きない”ってユウの気持ちがわかる…。いっその事食っちまいてぇ…。)

マコトを抱いて微笑むハルはとても優しい表情をしていて、いつも以上にかわいい。

いつかハルが大人になったら結婚して、子供が生まれたら…と想像して苦笑いを浮かべた。

(子供か…。まだまだ先の話だな…。)

普段は離れている上に一緒にいても今はまだ抱きしめる事くらいしかできないのに、ハルは大人になっても自分の事を好きだと言ってくれるだろうかとか、ハルは自分といて本当に幸せだろうかとか、言いようもない不安に襲われた。

そばにいると、ハルのすべてを自分のものにしてしまいたいと言う衝動が抑えきれなくなりそうで、怖い。

その思いがどんどん強くなって、まだ若いハルを自分に縛り付けてしまいそうになる自分が、まるで自分ではないような感覚に陥る。

今までこんな気持ちになった事はなかった。

“来る者拒まず、去る者追わずだ。”

いつか自分がトモに言った言葉を思い出して、リュウはため息をつきながらタバコに火をつけた。

ハルが、幼い頃からの習慣のように“とーちゃん大好き!!”と言ってくれる事を、少し前までは当たり前のように思っていた。

だけど今は、ハルを失う事が怖い。

(もしハルがオレから去って行く日がきたら…オレはあの頃と同じ事が言えるのか…?)