幸せの定義──君と僕の宝物──

その夜。

翌日のライブイベントのリハーサルを終え、宿泊先のホテルで食事を済ませた`ALISON´のメンバーは、それぞれの部屋で寛いでいた。

同室になったユウがシャワー室に入るのを確認して、リュウがポケットからスマホを取り出すと、いつの間にか新着メールが届いていた。

(メールか…。)

メール画面を開き、ハルからのメールだと確認すると、リュウは笑みを浮かべた。


“レナさんにお料理教えてもらったの。
あんかけ豆腐ハンバーグだよ!
すごく美味しくできたから、
今度とーちゃんにも作ってあげる!
今日はとーちゃんがいなくて寂しいな…。
早くとーちゃんに会いたい。
とーちゃんの事考えながら寝るね。”


“寂しい”“会いたい”と言うハルからの言葉を見て、リュウは照れ臭そうに頬をかいた。

(全然優しくもねぇし、甘い言葉も言えねぇのに…一体オレなんかのどこがそんなにいいんだか…。)

添付された画像は、ハルが初めて作った豆腐ハンバーグの写真だった。

(おっ、美味そう…。やるじゃん、ハル。)

初めて作ったとは思えないほどの出来映えに感心しながら、リュウは何と返信しようかあれこれ考える。

(美味そうだなとか…?良かったなとか…?)

本当は“早く帰ってハルの作った料理を食べたい”と送りたいのに、どうにも照れ臭い。


“良かったな。
片桐さんに迷惑かけないように早く寝ろよ。”


素っ気ない返信をしてから、リュウはため息をついた。

(あー…。ハル、がっかりしてるかも…。)