幸せの定義──君と僕の宝物──

それから`アナスタシア´に足を運んだ。

「あっ…レナさん…ユウさんも…!!」

ハルは、ユウとレナが`アナスタシア´の衣装に身を包んだ店頭のパネルに、キラキラと目を輝かせた。

「やっぱり照れ臭いな…。」

「慣れないよね…。」

照れ臭そうにしているユウとレナの隣で、ハルは店頭のテレビ画面に見入っている。

画面にはレナが失声症で声が出なかった時に撮影された、二人が共演したルームウェアのCMのフルバージョンが流れていた。

「どうした、ハル?」

「んー…素敵だなって。ハルもとーちゃんと、こんなふうになりたいな…。」

リュウはうっとりと呟くハルの頭を撫でた。

「そのうちなれんだろ。」


ユウの言う通り、`アナスタシア´の服はハルにとても似合っていた。

レナはハルに似合いそうな服をあれこれ手に取ってハルの体にあてがい、二人で鏡を見る。

姉妹のように楽しそうに服を選んでいるレナとハルを見ながら、ユウもレナに似合いそうな服を選ぶ。

「ユウ、いつも店で一緒に片桐さんの服選んだりすんのか?」

「結婚してからかな。奥さんに似合いそうな服を選ぶのも楽しいよ。オレの選んだ服着て笑ってくれると、めちゃくちゃ嬉しい。」

「愛妻家だな…。溺愛ぶりが窺えるわ。オレはこういうのは苦手なんだ。今まで女と一緒にこんな店来た事もねぇ。そもそも、まともに付き合ったりしてねぇからな。」

リュウは居心地悪そうに、ユウの隣でソワソワしている。

「リュウらしいな。でもハルちゃんは今までの女の子とは違うだろ?指輪買ってあげたいと思うくらい特別なんだし。」

「……まぁ…そうだな…。」

リュウは照れ隠しに、すぐそばにあった帽子を手に取って、それを見ているふりをした。