幸せの定義──君と僕の宝物──

必要なベビー用品で買い物かごはあっという間にいっぱいになり、ベビーカーとチャイルドシートを選んで、商品カードを持ってユウがレジに並んだ。

「レナ、オレが会計してる間、リュウたちとそこのベンチにでも座って休んでていいよ。」

「じゃあオレはタバコ吸ってくる。」

リュウは一人で喫煙スペースに向かい、レナとハルはベンチに座って会計が済むのを待った。

「優しい旦那様ですねぇ。」

ハルがそう言うと、レナは幸せそうに笑ってうなずいた。

「ハルちゃんだって…リュウさん、優しいでしょう?」

「優しいけど…優しい言葉とか甘い言葉はあまり言ってくれないかな…。そういうの、すごく憧れるんだけど…。」

「そういうところはリュウさんらしいね。思ってても照れ臭くてなかなか言えないんだね。」

ハルは首をかしげて眉間にシワを寄せた。

「そうなのかなぁ…。3分の1はオレが育てたようなもんだとか言われると…やっぱり子供扱いされてる気がして…。」

「リュウさんはハルちゃんが赤ちゃんの頃から見てるんだもんね。それだけハルちゃんの事がかわいくてしょうがないんだと思うよ。」

「それも複雑だな…。私も早くレナさんみたいな大人の女になりたいです…。」

ハルが肩を落としてそう言うと、レナはおかしそうに笑った。

「ハルちゃん…私、ハルちゃんが思ってるほど大人じゃないの。」

「え?」

「だって…私の初恋、29になる少し前だよ。ユウがロンドンから帰ってきてまた出会って…初めて恋をしたの。その点ではハルちゃんの方が大人なのかも。」

レナのあまりに遅い初恋の話に、ハルは目を丸くしている。