幸せの定義──君と僕の宝物──

リュウは座っている場所が離れている上に、タクミとハルが小声で話すので、二人がどんな会話をしているのかわからず、気になって苛立ちが抑えられない。

(一体、何話してるんだ?タクミ、ハルを狙ってんのか?!そんで口説いてんのか?!ハルも少しは嫌がれよ!!)

「リュウがいない時は何してるの?」

「掃除とか洗濯とか夏休みの宿題とか…あとはテレビ見たりスマホでゲームとか…。夕方になったら晩御飯の支度して…。」

ハルが答えると、タクミはハルの頭を撫でた。

「かわいいなぁ、ハルちゃん。オレ、こんなお嫁さんが欲しい。オレのお嫁さんになる?」

さっきまでハルの耳元で小声で話していたタクミが、急に周りにも聞こえるようにハッキリそう言うと、離れた場所でずっとイライラしながらタクミとハルの様子を窺っていたリュウの我慢の糸が切れた。

「ハル!!こっち来い!!」

「え?」

「いいから早く!!」

ハルが首をかしげながら立ち上がりそばに行くと、リュウは強い力でハルの手を引いて、膝の上に座らせた。

「え?とーちゃん?!」

リュウは驚くハルをタクミから隠すように抱き寄せ、タクミを鋭い目でにらんで低く呟く。

「タクミ…手ぇ出すな。ハルはオレのだ。」

激ヤン時代を彷彿とさせる眼光の鋭さで凄むリュウを見て、ハヤテとメグミは驚き、ユウとレナは顔を見合わせ、タクミとトモがたまらず吹き出した。